役者達

自信を持ってお勧めする素材や道具たち

奈川在来

・・・写真が無く
なんとか奈川が写っているのはこの一枚しかありませんでした

奈川村は高山市から安房トンネルを抜け
松本市側へ下る途中にある村です

飛騨高山松倉城の城主【三木秀綱】は
豊臣秀吉の命を受けた金森長近に攻められ城を落ちます
妻の出身地である長野の波多市を目指し逃げますが
途中奈川で打たれました

かつて飛騨の歴史大好き人だった私は【秀綱伝説】を追って
何度も奈川を訪れたものでした。
もちろん昼食は「奈川そば」でした
もう20年も以前の話ですが

近年、蕎麦屋をはじめ
その奈川在来を北海道は黒松内で落合勝雄さんと言う方が栽培していらっしゃることは
雑誌に掲載された記事で知っていましたが
まさかうちの店で買い付けができるとは思っていませんでした

それが
更科粉を納品していただいている『石森製粉』さんと雑談をしているうち
「その奈川なら当社で扱っていますよと
ひょうたんから駒みたいな話になりました


ひと時の季節限定の風物詩として、メニューに入れさせていただいています。

2012-07-20 05:24:24

【竹箸】 

日田市の産業としてかつては竹細工の生産が盛んだったのだが、やがて中国産の安価な製品に圧されてゆく。
小関さんは荒れてゆく故郷の竹林を憂い、また消えてゆく伝統工芸の技術を惜しみ、竹林と伝統工芸の技術を守ることを決意する。
箸は手の筋力で操作するため、高齢や障害で筋力が十分でない場合は箸が思うように使えないのだ。
彼は高齢者や障害者の方にも使いやすい箸を目指して製作を始めた。
彼の箸は単純な形のようでいて実は緻密に計算された複雑な形状をしているらしい。前職は精密機械のエンジニアで工学的な構造は専門家にしてなんと完成に13年を要した。
箸は写真左の大きさの竹から、右の箸たった一本だけを削りだす。そのまま割れば2本以上はしっかり取れるサイズだが、小関さんはこの竹から生きた一筋の線を見出し1本の箸を生み出す。だから小関さんの箸はささくれが出ないし、ささくれができないから塗装も必要ない、塗装をしないからアレルギーの心配も要らないというわけだ。
なるほど、彼の工房には塗料やシンナーといった薬品類はいっさい見当たらない。
実は工房に薬品類が置いてないのにはもうひとつ理由がある。
工房からは大量の竹のおがくずが出るわけだが、彼はそのおがくずを堆肥として本来その竹が朽ちてゆくはずだった竹林へ戻してやるのだ。「一滴でも薬品を使っていたら、竹を竹林へ戻せなくなるじゃないですか」と笑う小関さんの目は哲学者の眼差しだった。

2011-09-14 18:17:45
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